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ご都合主義な官能小説
「こんな都合のいい話あるわけねーじゃん!」 「いいんです!そーいう小説なんですから!(力説)」www 基本的にハッピーエンドの官能小説を書いてます。 座右の銘は『ご都合主義万歳!』www

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 どれくらいの時間が経ったのだろうか。
 蜜巳は血の混じったザーメンを子宮で飲み干すと、下からの反応が途絶えた事に気が付いた。

「あれ?・・・あ~あ、終わっちゃったかぁ・・・」

 蜜巳が犯していたヒロは、前回同様に肌は張りと艶を失い、げっそりと痩せていた。
 やはり、幸せそうな笑みを顔に浮かべたままである。
 前回と違うのは、今回はヒロがまるで動かない事だ。蜜巳がヒロの上から移動しても、身じろぎ一つしない。
 胸が上下しているところを見ると、死んではいないようだ。

「ん~~・・・本当ならもう十回はしたかったけど、しょーがないわね」

 脱ぎっ放しだった服を着て、軽く身体を伸ばした蜜巳が言った。
 まだ満足しきっていないようである。
 と、ヒロに近づくと、その耳元で囁いた。

「じゃあね、中々良かったわよ。もう聞こえないだろうけど、あなた幸せよぉ?人生最後のセックスがあたしとだったんだから。んふふ」

 何の反応も無いヒロの頬に軽く口づけすると、蜜巳は部屋を出た。
 後に残されたのは、もう何も聞こえず、見えず、喋れず、感じない・・・死人のようになった男が一人だけだった。

テーマ:官能小説 - ジャンル:アダルト

 蜜巳と猟華のいるワンルームマンションの部屋と、羽夜のいる料亭の部屋の空間が“闇”によって繋がった。
 何も見えない漆黒の空間だ。
 闇の中、部屋の景色は消え失せたが、六人の男達の姿だけがくっきりと浮かび上がっている。

「な、何だこれは!?」「マジかよ・・・」「さっきの女の子は何処に行った!?」「何だよこれ!訳わかんねーよ!!」「お、親父!?」「お、お前達!これは一体なんだ!?」「し、知らねーよ!!」

 パニックに陥り、喚く男達の前に猟華、蜜巳、羽夜が姿を現した。
 まず、蜜巳がヒロに背後から抱きついた。

「うわっ!?あ、アンタは!!」
「んふふ、久しぶり・・・でもないけど。キミの相手はあたしがしてあげる。結構良かったしね、キミの・・・相手があたしなんて、運が良いわよぉ?んふふっんふふふふ・・・」
「は、放っ・・うわぁああ!?」

 蜜巳が軽く力を込めると、ヒロの体はあっさりと浮かび上がり、二人は闇の中へ消えていった。

「ヒ、ヒロ!?」
「クソッ!何だよ!!何なんだよおっ!」

 喚くシン、トウゴの前には、猟華が姿を現した。

「さ、あなた達の相手は私・・・楽しませてくださいな。クスクス・・・クスクスクス・・・!」

 瞳を真紅に輝かせた猟華が、酷薄な笑みを浮かべて二人を見つめる。

「わ、訳わかんねー事言ってねぇで、俺らを戻しやがれ!!」

 トウゴが猟華に駆け寄り、その胸元に掴みかかろうとした瞬間、トウゴの手に激痛が走った。

「イ、イテェッ!な・・・!?」

 両手の甲の皮膚が、何箇所か薄く裂けていた。
 トウゴが手を傷つけた物を探して猟華を見ると、その正体に驚愕して眼を見開いた。

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 猟華と真由美は、蜜巳が宿泊しているビジネスホテルの部屋で蜜巳と顔を会わせた。
 蜜巳は彼女達が来るまでの間に、ターゲットである三人の行動を監視していた。そうして得た調査結果を真由美に報告する為だ。
 なお、羽夜はここには居ない。
 出発直前に罪がある情報を掴み、羽夜をそっちの方に向かわせた為だ。
 その為、羽夜の存在を真由美は知らないままである。

「シンって奴はもっぱらマンガ喫茶に入り浸ってるわ、そのまま泊まっちゃう事もあるみたい。トウゴって奴はそのマンスリーマンションでネット三昧で、あまり外に出て来ないわね。ヒロってのは・・・パチスロばっかり打ちに行ってるわ、よく行く店は突き止めたから」
「え、パチスロ?クスクス、蜜巳さんみたいですね」

 猟華がおかしそうに笑いながら言う。

「一緒にしないでよ~。こいつはね、店の弱みを握ってるらしいのよ。それで、出る台の情報を予め手に入れてるの」
「もしや、店の弱みというのは、警察の父親が協力しているのでは・・・?」

 真由美が真剣な顔で蜜巳に聞く。

「おそらく、そうでしょう。一介の若者がそんな情報を仕入れる事は、まず無理でしょうし」
「警察の者が犯罪に加担するなんて・・・」
「いつの時代でも、情けないバカってのはいるものです」蜜巳はそう言いながら鼻で笑った。
「その他の調査結果はこの封筒の中に入っています。これをどう使うかは、河井さん、あなたの自由です」
「・・・ええ、よく考えて使う事にします。では、これはお約束の報酬です、お確かめください」

 真由美から渡された封筒の中身は現金だ。猟華が中身を確認する。

「あ、では、失礼して・・・はい、確かにお受け取りしました」
「それでは、私はこれで失礼します」
「あ、河井さん」

 立ち上がり、部屋を出ようとする真由美を猟華が呼び止めた。

「はい?」
「くれぐれも、無茶な事はしないで下さいね・・・」
「・・・ええ、大丈夫よ。ありがとう猟華さん」

 心配そうに言う猟華に、真由美は微笑で返した
 猟華は、その笑顔の裏の決意を感じ取っていた。

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 翌日。
 久留間探偵事務所の中では、所長の罪が頭を抱えて呻いていた。

「あったまいてぇ~・・・」
「はい、お水とお薬。罪さんお酒弱いのに、あんなに飲むからですよ」

 猟華が二日酔いの薬と、湯飲み茶碗に水を入れて罪の目の前に置いた。
 湯飲み茶碗には達筆な字で『万枚祈願』と書かれている。
 蜜巳がパチスロの景品で入手した物だ。
 この事務所の隣室は罪の住居でもあるのだが、そこには蜜巳が景品として入手した物があちこちにあったりする。
 スロット型貯金箱や、脂肪測定器付き体重計、パチンコ型の小型温冷蔵庫、エビやアンコウが描かれた壁掛け時計など。
 パチンコもパチスロもやらない罪にとって、やたらにカラフルで自己主張の強い物ばかりなのが少々不満だったりするのだが、折角取って来てくれた物を無下に断るのもなんなので使っている。
 なお、羽夜はその隣室でまだ眠りこけていた。

「・・・蜜巳に飲まされたんじゃないか、俺は悪くない」
「あ、そうでしたね。・・・我慢できないようなら、アルコール分“抜き”ましょうか?」
「いや、二日酔いごときでお前達の世話になるのもな。頼りすぎるのは良くない」

 二日酔いの薬を水で飲みながら、罪は小声で言う。

「ん、そうですね」

 猟華が微笑む。
 罪は猟華たち三人を自由に出来る絶対的な力を持っているが、それを使う事は滅多に無い。
 彼は分かっているのだ、堕落こそが自分にとって最大の敵だという事を。
 自らを律する強い心を持った罪だからこそ、自分達は彼と契約を結んだのだ。
 それは、猟華も他の二人も罪と出会ってから幾度となく感じた事だった。

「蜜巳は“見つけた”かな?」罪が眉間の辺りを指で押さえながら聞いた。
「あ、加奈子さんの住んでいた部屋の中の“残念”を拾って、それを辿っていったら正に真由美さんが突き止めた三人の家に行き当たりました。今、そこから更に辿って逃走先に向かっています」
「早目に見つかりそうなのはいいとして・・・問題は真由美さんか。まずい事考えていそうだよなぁ」
「ん、そうですけど、私がフォロー入れますから」
「そうだな、頼むわ」

 座っていた椅子をクルリと回し、罪は窓の外に目をやる。
 真夏の日差しに容赦なく照らされた街並みは、陽炎の中に揺らめいていた。

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「・・・でも、これで終わりじゃなかったんです。そいつらは写真をネタに脅迫して加奈子の部屋に連日入り浸り、毎日の様に加奈子を・・・!」
「・・・なるほど、随分と酷い目に・・・。それで、妹さんは今は・・・?」
「加奈子は今、精神病院に入院しています・・・」
「精神病院に・・・?」
「・・・加奈子がずっと休んでいるというバイト先からの連絡が実家にありまして、私が様子を見に行ったんです。返事がないので管理人にお願いして鍵を開けてもらい、部屋に入ったら・・・加奈子はバスルームで手首を切って自殺未遂を・・・。発見が早かったので一命は取りとめましたが、話しかけてもまるで反応が無く、生きる屍のようになってしまいました・・・!」

 一筋の涙が真由美の目から溢れた。

「それで入院ですか・・・しかし、加奈子さんがその状態で、どうして事件の内容が分かったのですか?」
「加奈子が手帳に書き残していたんです、その一部始終を・・・。手帳はトイレのタンクの中に、分かりにくいように黒いビニール袋に何重にも包まれていたので、部屋を捜索した警察の方も発見できなかったようです。私は掃除をしていて、偶然見つけて驚きました。加奈子の、唯一の抵抗だったのでしょう・・・」
「あ、警察には見せたんでしょう?」

 猟華が聞いた。

「ええ、早急に捜査するとは言ってましたが・・・あまり当てにはなりませんね」
「何故ですか?」罪が小首をかしげる。
「犯人の一人が、どうやら警察上層部の人間の息子らしいんです。もう一人は、犯行に使われたマンションの工事をしている建築会社の社長の息子のようで・・・。最後の一人、この男はもっと厄介でして・・・ある県会議員の息子のようです」
「ふむ・・・よくそこまで調べましたね・・・。失礼ですが、どうやったかお聞かせ願えますか?」
「インターネットで業者を調べたり、加奈子の住んでいたアパート周辺で聞き込んだりしました。一番情報を手に入れられたのは街での聞き込みでした。この三人は本当にヤバイ事で有名だったんです」
「本当にヤバイ・・・とは、その三人は他にも何かしでかしていると?」
「あくまで噂ではあるのですが・・・。その三人は高校が同じなのですが、在学当時、担任の女性教師が一人、自殺未遂をしています」
「教師が自殺未遂?」
「その三人にレイプされて脅されたのではないかと噂されています。彼女は何かと連中に注意をしていたそうでして・・・。自殺未遂をする一ヶ月ほど前に、彼女の住むマンションに入っていく三人を見た人物がいます。彼女と三人は、それから暫く高校を休んでいます」
「加奈子さんと同じ、という事ですか」
「ええ・・・。その後、彼女は教師をやめ、郷里に帰ってしまいました。彼女だけではなく、この三人の身近な女性が何人も同じパターンで転校したり、引っ越ししたりしています。・・・まさかとは思うのですが・・・行方不明になっている女性もいるようです」
「なるほど・・・ちょっと尋常ではありませんね・・・。その手帳に、犯人達の名前などは書かれていたんですか?」

 真由美はバッグの中から、数枚の紙を取り出して罪に手渡した。

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 !!要注意!!

 この小説には陵辱シーンがあり、お嫌いな方には閲覧をお勧めできません。
 お読みになられる方は、この点を了解してからお読みください・・・。



「ここ、かしら・・・?」

 河井真由美は、炎天下の雑踏の中でそのビルを見上げた。
 いかにもキャリア・ウーマンといった感じの真由美は、今年で二十五歳になる。
 容姿端麗、とは彼女に相応しい言葉だろう。整った顔立ちに加え、その豊満なボディは道行く男たちの視線を自然と引き寄せていた。
 もっとも、夏真っ只中のこの炎天下では男たちの興味はすぐに暑さの為に失われていたが。
 お世辞にも綺麗とは言えない四階建ての雑居ビル。
 目的の場所は、その最上階にあった。

『久留間探偵事務所』

 薄汚れたドアに付けられた、更に薄汚れた一枚のプレートを見て、真由美は躊躇いながらもノックした。
 ・・・返事が無い。

(留守かしら・・・?)

 今度は強めにノックしてみるが、やはり返事が無い。
 試しにドアノブを回してみると・・・すんなりとドアは開いてしまった。

(無用心な探偵事務所ねぇ・・・)

 一抹の不安を感じながら、中に入った真由美は声をかけた。
 中は一応、事務所の体裁は整っていた。
 手前には大きめのテーブルにソファーが用意されていた、客の応対に使われるのだろう。
 壁には無骨なスチール製の書棚があり、書類やバインダーがきちんと整理されて収まっていた。
 そして、一番奥の窓際にはこの部屋には不釣合いなほどの重厚な黒い事務机とオフィスチェア。
 本来ならばそこにはこの探偵事務所の主が座っているのだろうが、今は誰もいなかった。
 右手には別室へと続くドアがあった。

「あの、すいません・・・!」

 そのドアに向かって呼びかけるが、返事は無い。
 息を吸い込んで、大きめな声で呼びかけてみた。

「あのぅ!すいません!先程連絡した者ですが・・・!」

 シーン・・・。
 そんな擬音が真由美の心に浮かんで消えた。

「何なのよこの事務所は・・・ちゃんと連絡入れたのに、留守ってどういう事?」
「あ、お客様ですか?」
「えっ!?」

 振り返ると、先程自分が入ってきたドアの外に女の子が立っていた。
 十六、七歳位だろうか、青い清楚なワンピースに身を包んだ美少女だった。

「あ、もしかして先程ご連絡を頂いた、河井さんでしょうか?」
「え、ええ。お留守かと思って、その、ドアが開いていたものだから・・・」
「あ、お気になさらずに。お茶を切らしてしまっていて、慌てて買い物に行っていたんです。こちらこそお待たせして申し訳ありませんでした。さ、どうぞ、こちらにお掛けになって下さい」

 笑顔で招く少女の美しさは、同姓の真弓でさえ目を奪われたほどだ。
 降り積もったばかりの雪のように白い肌、背中で切りそろえられた黒真珠のような髪、ブラックオニキスをはめ込んだ様な瞳。
 手に提げた近所のスーパーマーケットのマークが入った買い物袋が、まるで幻想の中の美少女を現実世界に繋ぎとめるアイテムのように見える。
 買い物袋から出したお茶を手際よく入れた少女は、それを真由美に差し出しながら言った。

「あ、所長を呼んできますので、少々お待ちください。昨夜遅かったもので、まだ寝ているんです」
「そうでしたか」

 少女は別室に繋がるドアを開け、中に入っていった。
 かすかに隣室から声が漏れてくる。
 その声の大きさが段々大きくなり、一瞬静かになったと思うと・・・。

 ドゴォォォン!!

 事務所全体、いや、このビル全体が揺れ動くような轟音が響いた・・・隣室から。

「キャッ!?な、何!?交通事故!?」

 驚いた真由美はここが四階である事を思い出し、ゆっくりと隣室のドアへ目を移動させた。
 そのドアが小さな軋みをあげながら開き・・・中から一人の男が出てきた。
 若い、真由美よりも年下のようだ。恐らくは二十歳前後だろう。
 紺色のスーツを着ているが、酷く皺がよってしまっている。
 申し訳程度に櫛を入れたような髪の毛があちこち飛び跳ねていてみっともない事この上ない。が、何よりも目を引いたのは腫れあがった右の頬だった。

「ろ、ろーも、お待たふぇひまひた・・・」
「は・・・はあ・・・」

 あっけに取られた真由美の前を疲れた足取りでゆっくりと横切り、そのまま窓際の所長の席に着席した。
 その後には先程の少女が続き、彼にお茶を入れて差し出した。
 心なしか、少々不機嫌そうに見えるのは真由美の気のせいだろうか。

「では、あらためて自己紹介を・・・当探偵事務所の所長、久留間 罪(くるま ざい)です」

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