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ご都合主義な官能小説
「こんな都合のいい話あるわけねーじゃん!」 「いいんです!そーいう小説なんですから!(力説)」www 基本的にハッピーエンドの官能小説を書いてます。 座右の銘は『ご都合主義万歳!』www

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「・・・でも、これで終わりじゃなかったんです。そいつらは写真をネタに脅迫して加奈子の部屋に連日入り浸り、毎日の様に加奈子を・・・!」
「・・・なるほど、随分と酷い目に・・・。それで、妹さんは今は・・・?」
「加奈子は今、精神病院に入院しています・・・」
「精神病院に・・・?」
「・・・加奈子がずっと休んでいるというバイト先からの連絡が実家にありまして、私が様子を見に行ったんです。返事がないので管理人にお願いして鍵を開けてもらい、部屋に入ったら・・・加奈子はバスルームで手首を切って自殺未遂を・・・。発見が早かったので一命は取りとめましたが、話しかけてもまるで反応が無く、生きる屍のようになってしまいました・・・!」

 一筋の涙が真由美の目から溢れた。

「それで入院ですか・・・しかし、加奈子さんがその状態で、どうして事件の内容が分かったのですか?」
「加奈子が手帳に書き残していたんです、その一部始終を・・・。手帳はトイレのタンクの中に、分かりにくいように黒いビニール袋に何重にも包まれていたので、部屋を捜索した警察の方も発見できなかったようです。私は掃除をしていて、偶然見つけて驚きました。加奈子の、唯一の抵抗だったのでしょう・・・」
「あ、警察には見せたんでしょう?」

 猟華が聞いた。

「ええ、早急に捜査するとは言ってましたが・・・あまり当てにはなりませんね」
「何故ですか?」罪が小首をかしげる。
「犯人の一人が、どうやら警察上層部の人間の息子らしいんです。もう一人は、犯行に使われたマンションの工事をしている建築会社の社長の息子のようで・・・。最後の一人、この男はもっと厄介でして・・・ある県会議員の息子のようです」
「ふむ・・・よくそこまで調べましたね・・・。失礼ですが、どうやったかお聞かせ願えますか?」
「インターネットで業者を調べたり、加奈子の住んでいたアパート周辺で聞き込んだりしました。一番情報を手に入れられたのは街での聞き込みでした。この三人は本当にヤバイ事で有名だったんです」
「本当にヤバイ・・・とは、その三人は他にも何かしでかしていると?」
「あくまで噂ではあるのですが・・・。その三人は高校が同じなのですが、在学当時、担任の女性教師が一人、自殺未遂をしています」
「教師が自殺未遂?」
「その三人にレイプされて脅されたのではないかと噂されています。彼女は何かと連中に注意をしていたそうでして・・・。自殺未遂をする一ヶ月ほど前に、彼女の住むマンションに入っていく三人を見た人物がいます。彼女と三人は、それから暫く高校を休んでいます」
「加奈子さんと同じ、という事ですか」
「ええ・・・。その後、彼女は教師をやめ、郷里に帰ってしまいました。彼女だけではなく、この三人の身近な女性が何人も同じパターンで転校したり、引っ越ししたりしています。・・・まさかとは思うのですが・・・行方不明になっている女性もいるようです」
「なるほど・・・ちょっと尋常ではありませんね・・・。その手帳に、犯人達の名前などは書かれていたんですか?」

 真由美はバッグの中から、数枚の紙を取り出して罪に手渡した。
「これは?」
「その手帳の、事件について書かれていた部分のコピーです。念の為にと取っておいたそれが役に立ちました・・・。それには本名は書かれていませんでしたが、犯人達が『ヒロ』『シン』『トウゴ』とニックネームで呼び合っていた事が書かれていて、そこからその三人が浮かび上がったんです。事実、この三人のニックネームはこのまま当てはまりました」
「随分と危険な事をしましたね。あなたが嗅ぎまわっている事を知ったら、連中はあなたにも危害を加えていたかもしれませんよ?」
「構いませんよ」
「え?」罪と猟華が顔を見合わせた。
「どんな目にあっても、加奈子の敵を取れるなら・・・刺し違えても、必ずあいつらを・・・!!」
「河井さん、馬鹿な事を考えては駄目です。あなたまで酷い目にあったら、加奈子さんが悲しみます」

 猟華が悲しそうな目で真由美を見つめる。
 心の底から、真由美の身を案じているようだ。

「猟華さん・・・ありがとう。どのみち、私が調べられたのはここまでが限界でした。連中は加奈子が発見されてすぐに街を出てしまい、消息不明になっているんです」
「ほとぼりが冷めるまで、何処かでのんびりしてるって所ですか・・・」久留間が椅子の背もたれに体を預けながら言った。
「恐らくは・・・。久留間さん、あなたへの依頼は、この三人の行方を突き止めてほしいんです」
「突き止めて・・・どうするのですか?」
「・・・・・・・・・」

 罪の問いに、真由美は無言で罪を見つめる。
 その瞳には強い決意の色が現れ、こう語っていた。
 連中を見つけたら、その先は私がなすべき事をするだけ。あなたは見つけるだけでいい、と。

「・・・逃げも隠れも出来ない様に、決定的な証拠を掴んで警察に突き出します。」
「・・・なるほど。分かりました、この依頼、お引き受けしましょう」
「本当ですか!ありがとうございます!」
「では書類をお作りしますので、もう暫くお付き合いください。猟華」
「はい、所長」

 立ち上がった猟華が手際よく書類を準備し、必要経費やその他の細かい事の説明を受けて書類を作成し終わる頃には、夕方になっていた。

「それでは、失礼します」
「全力を尽くします。何か分かれば、すぐにご連絡いたしますので」
「あ、河井さん」
「はい?」
「居所が分かっても、一人でどうこうしようなんて考えないで下さいね。お願いですから・・・」
「優しい人ね、猟華さん・・・。ええ、大丈夫。無茶はしないわ。久留間さん、どうかよろしくお願いします」
 
 罪と猟華はドアの所で真由美を見送ったあと、例の手帳のコピーを二人で読んだ。
 それには執拗に陵辱され続け、絶望し、自ら命を絶つ事を決意するまでに追い詰められた加奈子の苦しみが生々しく綴られていた。

「ふむ・・・。猟華、蜜巳(みつみ)と羽夜(はや)はどこ行ってんの?」

 先ほどの真由美に対する口調よりも砕けた感じで罪が言う。
 これが彼の本来の喋り方なのだろう。

「蜜巳さんは例によってパチンコ屋さんに、羽夜ちゃんは例によって夏美さんのお店でスイーツを食べまくってます。二人とも、そろそろ帰ってくると思いますけど・・・」

 夏美さんのお店というのは、沢井夏美という女性が一人で切り盛りしている、罪もよく行く駅前のスイーツ専門店である。
 そんな事を話していると、ビルの階段を元気よく・・・いや、非常にやかましく駆け上る足音が響いてきた。
 そのままの勢いで事務所に一人の女性が飛び込んでくる。

「たーだいまー!!やったよぉ罪!!アラエボで一万五千枚ぶっこ抜いてやったぜぇぇ!!」
「わーそーかーそれはすごーい。よかったなーみつみー」

 棒読みの台詞で迎えた罪に、飛び込んできた女・・・蜜巳は食ってかかる。
 彼女は久留間探偵事務所の二人目の助手であり、非常に色っぽいお姉さまである。
 年齢的には先ほどの真由美とほぼ同年齢の、二十四、五歳ほど。
 胸元を大きく開いたノースリーブに、下着が見えそうでギリギリ見えないミニスカート。
 何よりも目を引きつけるのは、その美貌とモデル並みのプロポーションだ。
 切れ長のその目は見る者を射すくめ、金縛りにでもしてしまいそうな迫力がある。
 九十センチを超える大きさの巨乳は自重で垂れる事もなく、先端は天を向き、その張りによって芸術的なまでの形を保っている。
 そのくせウエストは痩せ型の女性並みに細く、引き締まったヒップはすれ違う男たちを前屈みにしてしまう蠱惑的なラインを見せている。
 だが、それらの魅力を台無しにしているのがその性格と言動だった。

「なーんだよ、そのつまんねぇ反応は!アラジンエボリューションてのはなぁ、それはそれは辛い事で有名なんだぞ!その台でこの偉業を達成したあたしの苦労を」
「あ、蜜巳さん?“力”は使ってませんよね?」

 氷点下の風が吹いた。
 聞いたのは猟華である。にっこりと笑いながらそう言っただけで、事務所内の空気が一気に二十八度は減少したのでは、と思わせる冷ややかな笑顔だ。

「も、もももちろん使ってないよ!?だ、だってさ、ほら、ギャンブルっていうのは、自分の力と運と腕で勝利を勝ち取るのが醍醐味じゃないか!」

 引きつった笑顔を見せながら、慌てたように弁明する蜜巳に、猟華が追い討ちをかける。

「あ、嘘は駄目ですよ?ウ・ソ・は・・・ね?」
「う・・・」

 一瞬の静寂の後、蜜巳の心が折れた。

「ごめんなさい、ちょっぴり使いました・・・」
「え、“ちょっぴり”?」
「ホ、ホントよ!?ホントにちょっぴりだけ!始めのうちあんまりにも単チェが引けないもんだから、一回だけ使って単チェ引いたの!そしたら運良く連チャンしちゃったの!・・・何よその目はぁ!信じてよぉ!」
「あ、でも前回、吉宗とかいう台で二万枚ぶっこ抜いたぜーっ!と喜んでいた時は使いまくってましたよね?」
「あ、あの時は!その店が裏基盤使ってたから、懲らしめたのよぉ!ちょっと、罪!我関せずって顔でお茶飲んでないで助けてよぉ!」
「・・・俺、腹が減ったなー・・・」

 窓の外を眺めながら、罪が呟くように言った。

「そ、それじゃ寿司とろう寿司!特上寿司四人前!あたし奢るから!」
「ん、お寿司に免じて、この辺にしておきましょうか」

 蜜巳が安心したように溜め息をつく。
 猟華が近所の寿司屋へ特上寿司の出前を頼み終わると、また事務所に入ってきた女がいた。

「お寿司?いいタイミングで帰って来たかな」
「お帰り、羽夜。ん?それ何?」蜜巳が聞く。
「夏美さんから差し入れだよ、新作のスイーツだって」

 手に持った小箱を嬉しそうに持ち上げて見せた彼女は、久留間探偵事務所の三人目の助手、羽夜だ。
 助手といっても、見た目ははっきり言って子供である。
 どう見ても年齢は十歳前後にしか見えない。着ている服も子供らしく、胸にピンク色の花模様が描かれた白いTシャツと紺色のスカートだ。
 その笑顔は年相応に『天真爛漫』という言葉がぴったり当てはまり、春の陽射しを思わせた。

「え、スイーツ?どんなのですか?」猟華の問いに、羽夜は箱の中を見せて言った。
「番茶のアイスとゴーヤーのシャーベットに、生クリームとハバネロで作ったシロップ掛けだって」
「ば・・・番茶?」
「ゴーヤー・・・?」
「・・・ハバネロ?」

 罪、猟華、蜜巳が呟く様に言った。
 箱の中には、茶色と緑と白と赤がそれぞれ主張しまくって全くバランスの取れていない物体が三つ収まっている。

「食べて感想聞かせてだって。ボクはもう食べたけど、結構美味しかったよ」
「じゃあ、俺の分は羽夜にあげるよ」
「あ、私の分もどうぞ」
「あたしの分も食べていいよ、羽夜」
「いいの?わーいラッキー!」

 羽夜を除いた三人がほっと溜め息をつく。
 夏美は時々新メニュー考案の際、久留間たちに差し入れと称して味見役を頼むのだが、その新作の八割ほどが怪しげな物になる。
 中にはおよそ人間が作ったとは思えない味の物もあり、その度に羽夜以外の者は生死の境を彷徨っていたのだ。
 そんな事が何度かあり、いい加減に懲りたので新作を貰ってくる際には使った材料を聞くようにしている。そして危険を感じた時には、羽夜にその処理を一任している。
 羽夜の味覚は美味と感じるゾーンが異様に広く、その胃腸は鋼で出来ている、とは猟華の弁である。

「夏美さんも味見してから渡して欲しいもんだな、全く・・・」
「あ、それだと実験にならないじゃない、とか前に言ってましたよ」
「実験て・・・。まぁ、罪はともかく、あたしらが味見しても寿命を縮める事はないけどさ」
「とにかく全員揃ったな。今日は仕事が入った。明日から忙しくなるぞ!」

 “仕事”―――。
 その言葉を聞いた瞬間、蜜巳、猟華、羽夜の瞳の色が変わった。
 比喩的にではなく、文字通りに“変わった”のだ。
 蜜巳は金色に。
 猟華は真紅に。
 羽夜は青味がかった銀色に。
 それぞれの瞳は、内側から光を放っているように薄く輝いている。

「へぇ・・・何人?“食べて”いいの?」

 羽夜が舌なめずりをしながら言う。その顔からはさっきまでの愛らしい笑顔から、陶酔した様な薄ら笑いに変わっている。

「今のところ三人、今回のはかなりタチが悪そうだ。場合によっちゃ、たっぷりイっちまえ」
「んふぅ・・・そう、そりゃあ“楽しみ”ねぇ・・・ふふ、ふふふふ・・・」

 蜜巳が妖しく笑う。
 こぼれ落ちそうな乳房を抱えるように自分を抱きしめ、その瞬間を想像して疼いているようだ。

「一人一匹の計算ですけど・・・“獲物”の親も絡んでいそうです。もしかしたら一人二匹味わえるかも・・・!はぁぁ・・・“堪らない”・・・クスクス・・・」

 猟華が淫靡な微笑を浮かべた。
 真由美に見せた清楚な印象からはほど遠い、情欲を感じさせる微笑だ。
 そして、三人に共通しているのは・・・『性欲』が昂っている事。
 三人とも、無意識の内に自らの乳房と硬くなり始めた乳首に片手で愛撫を始め、秘所へと伸ばされたもう一方の手は、既に湿り気を帯びているそこを下着越しに弄っている。
 事務所の中に粘りつく様な空気が生まれる。
 その空気を吸い込んだ者は、理性のたがを破壊されて欲望の赴くままに異性を貪り尽くす、淫の気で満ち溢れている。
 ただ一人、罪だけはこの濃密な淫の妖気が満ちる空間で平然とした顔をしていた。
 蜜巳と猟華は成熟した女性の淫らな部分を曝け出しているようだが、最も変化が大きいのは羽夜だ。
 見た目は十歳程度の子供なのに、その表情は完全に性欲に支配された淫蕩なものになっている。
 羽夜のような子供が胸と性器を弄り続けるその様は、まともな人間が見れば目を疑い、その夢か幻の中のような光景に目を釘付けにされていただろう。

「へへ・・えへへぇ・・・」
「んふふ・・・ふふふふ・・・」
「クスクス・・はぁ・・・クスクス・・・んはぁぁ・・・」

 三人の感情が更に昂ろうかというその時に、ドアをノックする者がいた。

「どうもー!柳寿司でーす!」
「待ってましたぁ!」

 罪がドア前に一瞬で移動し、ドアを開ける。
 ドアが開く直前に、部屋の中の淫気は完全に消え失せていた。
 蜜巳たちも興奮する前の状態に戻っている。

「ほら、蜜巳!お金お金!」
「あいよ、んじゃこれで。お釣りはいーよ、取っといて」
「い、いいんですか!?毎度ありがとうございます!今後ともご贔屓に!」
「ご苦労様~」
「ん、さすが特上、おいしい~!」
「ボク、タマゴ好き~おいしいね~!」
「この大トロ絶品だな!」
「ちょっとぉ、奢ってるあたしより先に食べるって失礼じゃない!?
「早くしないと、蜜巳の分も食っちまうぞ」

 罪がふざけて蜜巳の分を持ち上げる。

「待てやこらぁ!」

 蜜巳も慌てて着席し特上寿司に舌鼓を打つ。
 先ほどまでの淫妖な雰囲気が嘘の様だ。
 そこからは酒も入って深夜までドンチャン騒ぎが続き、静まる頃には東の空が白く染まる頃だった。


 (3へ続く)

テーマ:官能小説 - ジャンル:アダルト

コメント
この記事へのコメント
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2006/08/21(月) 17:10:24 | | #[ 編集]
コメントありがとうございます。
遅筆ですいませんorz

小説のネタ探しも含めて、スロ打ちに行ってボロ負けしてきましたorzorz
この悲しみと悔しさを燃料に執筆しておりますw

心を癒すべく打ったデジ羽(大当たり確立約百分の一)で、初当たりの確立が終始二百分の一前後に落ち着いたのは何かの怨念でしょうかorzorzorzorz
2006/08/22(火) 23:47:14 | URL | HEKS #195Lvy4Y[ 編集]
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