!!要注意!!
この小説には陵辱シーンがあり、お嫌いな方には閲覧をお勧めできません。
お読みになられる方は、この点を了解してからお読みください・・・。
「ここ、かしら・・・?」
河井真由美は、炎天下の雑踏の中でそのビルを見上げた。
いかにもキャリア・ウーマンといった感じの真由美は、今年で二十五歳になる。
容姿端麗、とは彼女に相応しい言葉だろう。整った顔立ちに加え、その豊満なボディは道行く男たちの視線を自然と引き寄せていた。
もっとも、夏真っ只中のこの炎天下では男たちの興味はすぐに暑さの為に失われていたが。
お世辞にも綺麗とは言えない四階建ての雑居ビル。
目的の場所は、その最上階にあった。
『久留間探偵事務所』
薄汚れたドアに付けられた、更に薄汚れた一枚のプレートを見て、真由美は躊躇いながらもノックした。
・・・返事が無い。
(留守かしら・・・?)
今度は強めにノックしてみるが、やはり返事が無い。
試しにドアノブを回してみると・・・すんなりとドアは開いてしまった。
(無用心な探偵事務所ねぇ・・・)
一抹の不安を感じながら、中に入った真由美は声をかけた。
中は一応、事務所の体裁は整っていた。
手前には大きめのテーブルにソファーが用意されていた、客の応対に使われるのだろう。
壁には無骨なスチール製の書棚があり、書類やバインダーがきちんと整理されて収まっていた。
そして、一番奥の窓際にはこの部屋には不釣合いなほどの重厚な黒い事務机とオフィスチェア。
本来ならばそこにはこの探偵事務所の主が座っているのだろうが、今は誰もいなかった。
右手には別室へと続くドアがあった。
「あの、すいません・・・!」
そのドアに向かって呼びかけるが、返事は無い。
息を吸い込んで、大きめな声で呼びかけてみた。
「あのぅ!すいません!先程連絡した者ですが・・・!」
シーン・・・。
そんな擬音が真由美の心に浮かんで消えた。
「何なのよこの事務所は・・・ちゃんと連絡入れたのに、留守ってどういう事?」
「あ、お客様ですか?」
「えっ!?」
振り返ると、先程自分が入ってきたドアの外に女の子が立っていた。
十六、七歳位だろうか、青い清楚なワンピースに身を包んだ美少女だった。
「あ、もしかして先程ご連絡を頂いた、河井さんでしょうか?」
「え、ええ。お留守かと思って、その、ドアが開いていたものだから・・・」
「あ、お気になさらずに。お茶を切らしてしまっていて、慌てて買い物に行っていたんです。こちらこそお待たせして申し訳ありませんでした。さ、どうぞ、こちらにお掛けになって下さい」
笑顔で招く少女の美しさは、同姓の真弓でさえ目を奪われたほどだ。
降り積もったばかりの雪のように白い肌、背中で切りそろえられた黒真珠のような髪、ブラックオニキスをはめ込んだ様な瞳。
手に提げた近所のスーパーマーケットのマークが入った買い物袋が、まるで幻想の中の美少女を現実世界に繋ぎとめるアイテムのように見える。
買い物袋から出したお茶を手際よく入れた少女は、それを真由美に差し出しながら言った。
「あ、所長を呼んできますので、少々お待ちください。昨夜遅かったもので、まだ寝ているんです」
「そうでしたか」
少女は別室に繋がるドアを開け、中に入っていった。
かすかに隣室から声が漏れてくる。
その声の大きさが段々大きくなり、一瞬静かになったと思うと・・・。
ドゴォォォン!!
事務所全体、いや、このビル全体が揺れ動くような轟音が響いた・・・隣室から。
「キャッ!?な、何!?交通事故!?」
驚いた真由美はここが四階である事を思い出し、ゆっくりと隣室のドアへ目を移動させた。
そのドアが小さな軋みをあげながら開き・・・中から一人の男が出てきた。
若い、真由美よりも年下のようだ。恐らくは二十歳前後だろう。
紺色のスーツを着ているが、酷く皺がよってしまっている。
申し訳程度に櫛を入れたような髪の毛があちこち飛び跳ねていてみっともない事この上ない。が、何よりも目を引いたのは腫れあがった右の頬だった。
「ろ、ろーも、お待たふぇひまひた・・・」
「は・・・はあ・・・」
あっけに取られた真由美の前を疲れた足取りでゆっくりと横切り、そのまま窓際の所長の席に着席した。
その後には先程の少女が続き、彼にお茶を入れて差し出した。
心なしか、少々不機嫌そうに見えるのは真由美の気のせいだろうか。
「では、あらためて自己紹介を・・・当探偵事務所の所長、久留間 罪(くるま ざい)です」
この小説には陵辱シーンがあり、お嫌いな方には閲覧をお勧めできません。
お読みになられる方は、この点を了解してからお読みください・・・。
「ここ、かしら・・・?」
河井真由美は、炎天下の雑踏の中でそのビルを見上げた。
いかにもキャリア・ウーマンといった感じの真由美は、今年で二十五歳になる。
容姿端麗、とは彼女に相応しい言葉だろう。整った顔立ちに加え、その豊満なボディは道行く男たちの視線を自然と引き寄せていた。
もっとも、夏真っ只中のこの炎天下では男たちの興味はすぐに暑さの為に失われていたが。
お世辞にも綺麗とは言えない四階建ての雑居ビル。
目的の場所は、その最上階にあった。
『久留間探偵事務所』
薄汚れたドアに付けられた、更に薄汚れた一枚のプレートを見て、真由美は躊躇いながらもノックした。
・・・返事が無い。
(留守かしら・・・?)
今度は強めにノックしてみるが、やはり返事が無い。
試しにドアノブを回してみると・・・すんなりとドアは開いてしまった。
(無用心な探偵事務所ねぇ・・・)
一抹の不安を感じながら、中に入った真由美は声をかけた。
中は一応、事務所の体裁は整っていた。
手前には大きめのテーブルにソファーが用意されていた、客の応対に使われるのだろう。
壁には無骨なスチール製の書棚があり、書類やバインダーがきちんと整理されて収まっていた。
そして、一番奥の窓際にはこの部屋には不釣合いなほどの重厚な黒い事務机とオフィスチェア。
本来ならばそこにはこの探偵事務所の主が座っているのだろうが、今は誰もいなかった。
右手には別室へと続くドアがあった。
「あの、すいません・・・!」
そのドアに向かって呼びかけるが、返事は無い。
息を吸い込んで、大きめな声で呼びかけてみた。
「あのぅ!すいません!先程連絡した者ですが・・・!」
シーン・・・。
そんな擬音が真由美の心に浮かんで消えた。
「何なのよこの事務所は・・・ちゃんと連絡入れたのに、留守ってどういう事?」
「あ、お客様ですか?」
「えっ!?」
振り返ると、先程自分が入ってきたドアの外に女の子が立っていた。
十六、七歳位だろうか、青い清楚なワンピースに身を包んだ美少女だった。
「あ、もしかして先程ご連絡を頂いた、河井さんでしょうか?」
「え、ええ。お留守かと思って、その、ドアが開いていたものだから・・・」
「あ、お気になさらずに。お茶を切らしてしまっていて、慌てて買い物に行っていたんです。こちらこそお待たせして申し訳ありませんでした。さ、どうぞ、こちらにお掛けになって下さい」
笑顔で招く少女の美しさは、同姓の真弓でさえ目を奪われたほどだ。
降り積もったばかりの雪のように白い肌、背中で切りそろえられた黒真珠のような髪、ブラックオニキスをはめ込んだ様な瞳。
手に提げた近所のスーパーマーケットのマークが入った買い物袋が、まるで幻想の中の美少女を現実世界に繋ぎとめるアイテムのように見える。
買い物袋から出したお茶を手際よく入れた少女は、それを真由美に差し出しながら言った。
「あ、所長を呼んできますので、少々お待ちください。昨夜遅かったもので、まだ寝ているんです」
「そうでしたか」
少女は別室に繋がるドアを開け、中に入っていった。
かすかに隣室から声が漏れてくる。
その声の大きさが段々大きくなり、一瞬静かになったと思うと・・・。
ドゴォォォン!!
事務所全体、いや、このビル全体が揺れ動くような轟音が響いた・・・隣室から。
「キャッ!?な、何!?交通事故!?」
驚いた真由美はここが四階である事を思い出し、ゆっくりと隣室のドアへ目を移動させた。
そのドアが小さな軋みをあげながら開き・・・中から一人の男が出てきた。
若い、真由美よりも年下のようだ。恐らくは二十歳前後だろう。
紺色のスーツを着ているが、酷く皺がよってしまっている。
申し訳程度に櫛を入れたような髪の毛があちこち飛び跳ねていてみっともない事この上ない。が、何よりも目を引いたのは腫れあがった右の頬だった。
「ろ、ろーも、お待たふぇひまひた・・・」
「は・・・はあ・・・」
あっけに取られた真由美の前を疲れた足取りでゆっくりと横切り、そのまま窓際の所長の席に着席した。
その後には先程の少女が続き、彼にお茶を入れて差し出した。
心なしか、少々不機嫌そうに見えるのは真由美の気のせいだろうか。
「では、あらためて自己紹介を・・・当探偵事務所の所長、久留間 罪(くるま ざい)です」