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ご都合主義な官能小説
「こんな都合のいい話あるわけねーじゃん!」 「いいんです!そーいう小説なんですから!(力説)」www 基本的にハッピーエンドの官能小説を書いてます。 座右の銘は『ご都合主義万歳!』www

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 この話は、圭恋し編の4、『魅音の困難』の裏側にあたるお話です。
 何故、圭一がコンドームを購入・準備し、自分から魅音に迫ったのか、その辺の裏事情が書かれています。
 メインキャストは悟史×詩音で、圭一と魅音が初Hをした日の夜の出来事です。


 圭一と魅音が初めて結ばれた当日の、夜の事・・・。
 詩音の部屋で夕食後にまったり過ごしていた悟史は、そろそろ寝ようかと思っていた頃に彼女に声をかけられ、振り向いて仰天した。
 別に詩音が悟史を誘惑しようとして、裸エプロンなどをしていた訳でない。
 むしろその方が悟史には幸運だっただろう。
 ハァハァと息を荒くして、悟史にゆっくりと近づいていく詩音。
 その手には、大きな注射器と荒縄が握られていた。
 その一種異様な迫力に気圧されて後退る悟史は、そのまま壁際に追い込まれてしまう。

「さぁ、悟史くん。私と一緒に新しい世界に旅立ちましょう~!」
「ちょ、ちょっと詩音? 落ち着いて・・・あのさ、その手に持ってる怪しげな物で、僕をどうしようっての・・・?」
「悟史くんはなぁ~んにも心配しなくていいんです。私が全部やってあげますから☆」

 詩音が笑う。
 いつもと変わらぬ、愛くるしい笑顔・・・ではない。
 目だ、目が違う。
 欲望に突き動かされている、“鬼”の目だ。
 少なくとも悟史にはそう見えた。

「いや、だからね? 具体的に何をするつもりなのか、教えてくれると嬉しいんだけど・・・」

 頬を、つつ~っと一筋の汗が流れていく。
 異様に大きな注射器と荒縄の他、彼女の足元にはやたらに太いローソク、先が何本にも別れた小さい鞭、得体の知れない液体の入った瓶、大きめの洗面器などが転がっている。
 悟史とてバカではないし、加えて童貞でもない。これらが何の役に立つ品々か、一目で理解を完了していた。
 さらに詩音の背後では、いつの間にやって来たのか、葛西がいそいそと部屋中の床にビニールシートを張り巡らせ、ガムテープで固定しているのであった。

「あ、あのぅ、葛西さん? 一体何を・・・」
「さて、私には詩音さんが何をしようとしているのか、トンと見当がつきませんね。これも頼まれたのでやっているだけですので」

(嘘だ! 絶対嘘だっ! そうでなきゃ僕を見る葛西さんの顔が、なんであんなに悲痛なのか説明がつかないじゃないか!)

「では詩音さん、作業が終わりましたので、私は退散させていただきます」

 悟史の心の叫びから逃れるように、葛西はそそくさと帰ろうとする。

「ありがとです。それから、今日寝る時には耳栓をするか、別の部屋で寝る事をお勧めします」
「よく分かりませんが、分かりました。私は別に取ってある部屋で寝る事にしましょう。ではお二人とも、おやすみなさい」
「か、葛西さん!? ちょ、ちょっと待って・・・」

 バタン。
 悟史の視界の片隅で、ドアは無情にも閉じられた。

「悟史くん。男には、どんなに苦しくても立ち向かわなければならない時があります。これを乗り越える事ができたなら、君は男として一段階成長する事ができるでしょう。健闘をお祈りしていますよ」

 廊下を歩きながらそう呟いた葛西は、詩音の部屋から“一番遠い部屋”は何処だったかな、とマンションの見取り図を頭の中で思い浮かべるのだった。
 そして、部屋の中ではその悟史が現状打破の為、必死で脳細胞をフル回転させていた。

「さあぁ、さぁとぉしぃくぅん~☆ 覚悟はい~い?☆」
「む、むぅ・・・!」

 怖い、詩音の目が怖い。
 何が怖いって、血走ったまま笑っているんだもの。
 口だって、“ニッコリ”じゃない、“ニヤァ~~”って言う方がぴったりの笑い方だ。
 恋人の僕でも、いや、恋人の僕だからこそ分かる。
 今の詩音には何を言っても無駄だろう。
 ならばどうする? 恋人として、甘んじて彼女の狂気を受け止めるのか!?
 落ち着くんだ、北条悟史!
 分かる筈じゃないか・・・! 自分には、Sの本性を全開にした彼女を受け止める力は無い!
 ならば、選択肢は・・・。ア、アレか!?
 まだ発動すら満足に行えない、アレを使うしかないのか!?
 ・・・駄目だ、迷っている暇はない・・・一か八かだ!!

「詩音、僕は悲しい」
「え?」

 不意に後ろを向いた悟史は、壁に手を付いて、ガックリとうな垂れた。
 悟史の取るであろう行動パターンを、メイン候補3パターン、サブ候補5パターン、合わせて8パターンもシミュレートしていた詩音であったが、この行動はパターンに入っていなかった。

「ああっ!!」

 振り向くと同時の悟史の大きな声に、驚いた詩音は肩をすくめる。
 悟史の目からは、涙が蛇口の壊れた水道のように勢いよく流れ落ちていた。
 飛び散った涙の飛沫が蛍光灯の光を反射して、キラキラと安っぽい輝きを放つ。

「僕が・・・僕がもっと頑張っていれば、君が不満に思う事はなかったんだ! ごめんよ詩音! 僕は・・・、僕は、君の恋人失格だ!!」

 芝居がかった大げさな身振りで苦しみを表現する悟史。
 例えるなら、ジュリエットへの恋心に苦悩するロミオといった所だろうか。
 普段の詩音ならば軽く切り返していたかも知れない。が、今はちょっとぶっ飛び気味の状態だ、悟史の“必死さ”に気圧され、うろたえるばかりだった。

「ちょ、ちょっと、悟史くん? そんな事ないよ! 悟史くんは私にとって大切な・・・」
「ありがとう詩音・・・君は本当に優しい、素晴らしい女の子だよ・・・。だからこそ! 僕は自分が許せない! 君を満足させられないばかりか、こんな・・・こんな行動に走らせてしまうなんてっ・・・! 僕はそれに気付いてあげられなかった! 君の渇きを癒せなかった! こんな僕が恋人だなんて、とうてい胸を張って言える事じゃない! ・・・詩音、今まで本当にありがとう。君が側にいてくれた日々は、僕の人生の中で、ダイヤモンドにも勝る輝きを放ち続けるよ・・・さようなら」

 ぐぐっと拳を握り締めながらそこまで一気に言うと、悟史は詩音の脇をすり抜けて玄関のドアに向かう。
 その背に、詩音の体が必死にしがみ付いてきた。

「待って! 悟史くん待って! そんなつもりはなかったの! ただ、いい刺激になるかと思って・・・それだけなの! 決して不満なんてない! ある訳ない! 私は悟史くんの側に居られるだけで十分すぎる程に幸せなの! ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい! もうこんな事二度としない! だから行かないで!! 私を一人にしないで!!」
「・・・いいのかい、詩音。こんな・・・こんな情けない僕で」
「悟史くんは情けなくなんてないよ! 不良から助けてくれたじゃない! そ、それに、それに・・・!!」

 そっとしがみ付いている詩音の手に触れてそれを外すと、悟史は詩音に向き直り、顎に手を当てて上を向かせ、そっとキスをした。

「んっ・・・! 悟史くん・・・悟史くん・・・どこにも行かないで・・・」
「うん。詩音が望んでくれるなら、僕はずっと側にいるから」

 二人はきつく抱きしめ合う。
 悟史は額から冷や汗をダラダラと流しながら、そっと溜め息をつくのだった。
 しばらくそうしていた二人は、お互い何も言わずにベッドへと移動した。
 無造作に服を脱ぎ、共に生まれたままの姿となる。

「悟史くん、横になって」
「うん? これでいい?」

 言われるままに仰向けで横になった悟史の上に、詩音が乗ってきた。

「さっきのお詫びに・・・今日は私に任せて・・・」
「分かったよ。・・・でも、お手柔らかに頼むよ?」
「はぁい・・・チュッ♪」

 詩音の愛撫は軽いキスから始まった。
 次第に舌を差し込んでいき、唾液を混ぜ合わせるように舌を絡ませ、蠢かす。
 右手は悟史のペニスを握り、柔らかく上下させて血液の流入を促進させている。
 唇を離すと、粘液のようになった唾液が伸び、光を反射させて煌めいた。
 小悪魔のような、淫らな微笑を浮かべ、詩音は悟史の乳首へと舌を這わす。
 乳首が硬くなり、ペニスもまた灼熱の鉄塊となり、詩音の両手でも足りない長さで誇らしげにそそり立った。
 詩音はペニスを見ると、唾液を塗りたくるように舌で肉棒を舐めまわす。。

「う、はぁぁ・・・っ! 詩音、気持ち良いよ・・・」
「もっと、もっと気持ち良くしてあげる・・・!」

 詩音は大きく口を開けると、ペニスをのどの奥まで呑み込み、ゆっくりと頭を前後に動かす。
 右手はペニスに沿え、左手は睾丸を優しく揉んで快感を倍増させている。詩音の性技に、悟史は腰を動かしたくなる衝動を必死に堪えていた。

「悟史くん・・・そろそろ、イキそう・・・?」
「うん・・・も、もう少し・・・!」
「それじゃあ、おっぱいでイかせてあげる・・・!」

 詩音は、姉に勝るとも劣らぬ豊満な胸で悟史の巨根を挟み込んだ。
 口の中で溜めた唾液をたっぷりと垂らして潤滑剤代わりにし、左右から強く締め付けて上下に擦りあげる。
 はみ出している先端部、亀頭を口に含んだ詩音は尿道を割るように舌で愛撫する。
 激しさを増していく動きに、ついに悟史が限界に達した。

「し、詩音・・・っ!!」
「んぶぅッ!!」

 胸と口の中で、ペニスが一瞬膨らんだと思うと、爆発するように精液が吐き出された。
 口で受け止めきれない精液が唇から溢れ、詩音の胸の上に流れ落ちていく。

「~~~ッ! んぐ、ぅ・・・ゴクッ・・・ゴクンッ・・・! ん、くふ・・・ゴク・・・!」

 口内に溜まった粘りの強い精液を、詩音は全て飲み干した。
 休む間もなく、荒い息のまま再びペニスを口に含むと、丁寧に舐めて綺麗にし、尿道に残った精液も吸いだして飲み込んでいった。
 丹念なその愛撫に、悟史のペニスは再び屹立する。
 その上に跨った詩音は、濡れそぼって熱くなった淫裂に押し当てた。

「今度は、私のオ○ンコで気持ち良くなってね・・・ふぅ、ぅ、ぁぁぁあああ・・・ッ!」

 身を沈めた詩音は、悟史の長い分身が自分の子宮口をもこじ開けて更に奥に突き刺さるのを感じ、全身を震わせて強烈な快感に耐えていた。

「ッは、はぅ、あ・・・ッ! 悟史、くんの・・・で、お腹、壊れちゃい、そうです・・・ッ!」
「詩音、無理しないで・・・」

 悟史の言葉に、詩音はふるふると首を振った。

「だ、大丈夫、ですよ? 気持ち、良すぎる、だけ・・・ですから・・・! 今日は、悟史くん、私が、気持ち良く、するんだ、もんッ・・・!」

 悟史の胸に手を付いて、詩音は腰を動かし始める。
 だが、最深部の壁にすら至りそうな悟史の巨根による刺激は、詩音をあっさりと頂点に押し上げてしまった。

「はッ! はぁッ! あッ! あああ、ダ、ダメェ・・・イッちゃうぅ・・・先にイッちゃうぅ・・・! ご、ごめんなさい、悟史くぅん・・・ッ!! 先に、先にぃぃ・・・ッ!」
「いいよ詩音、イッちゃって」

 悟史が軽く腰を二、三回突き上げると、詩音は限界に達してしまった。

「くひぃッ!? ぃあ、やは、ひああッ、あぁああぁぁッ!!!」

 全身を激しく震わせ、絶頂に達した詩音は悟史の上にくず折れるように倒れ、荒い息で喘ぐのだった。
 何分かそのままでいた詩音は回復すると、身をゆっくりと起こして再び腰の動きを開始した。

「詩音、もう少し休んでもいいんだよ?」
「ううん、平気です。悟史くんはまだイッってないもん・・・それに、私も・・・」
「ん? それに私も・・・なに?」

 悟史が少し、意地悪気味に聞いた。
 詩音はそっぽを向きつつも、赤くなった顔で答えた。

「悟史くんの・・・、中に・・・欲しい・・・から」
「分かったよ、詩音。それじゃあ、今度は二人一緒にいこうね」
「う、うん・・・! ぅうあッ・・・ぁぁあッ・・・! あんッ、あ!? あぁぁ~~ッ!!」

 その後、詩音は悟史の熱い樹液を、子宮内に直接三回注ぎ込まれた。
 最後にはほとんど失神に近い状態になり、そのまま眠りについてしまった。
 同様に悟史も疲れから眠ってしまい、二人は抱き合いながら夢の中へと落ちていった。


『はぁぁ~~・・・。そんな事があったのか、大変だったんだな~』
「うん。でも、監督や圭一くんに教えてもらったアレを何とか使う事が出来て、事無きを得たよ」
『固有結界の発動に成功したのか!? やっぱり才能があったんだな!』

 電話口の圭一の声が、興奮の色を隠さずに大きくなる。
 いま、悟史は圭一と電話で話している最中だ。
 翌日の朝、悟史は自分の腕にしがみ付いたまま寝ている詩音を起こさないように苦労して外し、一度自分の部屋に戻った。
 シャワーを浴び終わった時、雛見沢の前原圭一から電話が掛かってきたのだ
 圭一が魅音との事を、恋愛の先輩である悟史に報告する為のものだった。

「あはは、必死だったからね。それで、圭一くんの方はどうなんだい? うまくいったの?」
『そ、その・・・この間のアドバイスどおりにコンドーム買ってさ、悟史が詩音に迫ったときの事を参考にして・・・。お蔭で、う、うまくいったんだよ!』

 そう。
 魅音が詩音に色々と相談していたように、圭一もまた悟史に色々と助言してもらっていたのだ。
 圭一と年齢的に近い男は悟史しか居ない為、自然と相談するようになっていた。
 あらかじめコンドームを用意して魅音に迫ったのも、悟史からのアドバイスによるものだったのだ。

「最後までいったのかい!? そうかあ! おめでとう!」
『手放しで喜べないんだけど、な・・・。途中でコンドームが外れちまって、俺、それに気付かなくて・・・』
「ま、まさかそのままで・・・?」
『その、“まさか”なんだ・・・。でも、後悔はしてないぜ! もしも出来てたら、きっちり責任を取るさ!』

 悟史は圭一の強さに、憧れに近い念を抱いた。
 詩音は避妊薬を飲んでいるが、自分とて詩音に対していざという時の覚悟は出来ているつもりだ。
 だが、きっぱりと言い切る圭一の強さに、自分は今一歩及ばないと感じさせられてしまうのだ。

「・・・それだけはっきりと言えるなら、何も心配する必要はなさそうだね」
『おう! 惚れた女を泣かすような男にはなりたくないからな!』

 その時、悟史の部屋のベルが鳴った。

「あ、詩音かな? 圭一くん、詩音が来たみたいだから、この辺で」
『ああ。その、そのうち、また相談に乗ってもらってもいいかな・・・?』
「いいよ、僕でよければ」
『ありがとう! それじゃ・・・!』

 切れた電話を元に戻すと、合鍵を使った詩音が泣きそうな顔で部屋に入ってきた。
 悟史の姿を認めると、飛ぶような勢いで抱きついてくる。

「ど、どうしたの詩音、そんなに慌てて」
「だって、目が覚めたら悟史くん居ないんだもん! 不安になって・・・!」
「昨日も言ったじゃないか、詩音が望んでくれるなら、僕はずっと側にいるって」
「・・・うん・・・!」

 優しく頭を撫でられて、幸せそうな顔で頷く詩音に、悟史もまた思う。

(圭一くん、僕も同じだよ。惚れた女を泣かすような男にはなりたくない)

「詩音」
「はい、なんですか?」
「大好きだよ」
「あ・・・! 大好き! 私も大好きだよ!」

 口付けを交わす二人を祝うように、窓からの朝日が二人を照らし、まばゆく染め上げるのだった。


 END


あとがき

 ちまちまと書いていた、迫る詩音から平和を守るための悟史くんの奮闘を書いてみましたw
 “奮闘”って程でもないか・・・w

 『魅音の困難』で圭一がいきなり魅音に迫ったようになってしまったので、フォロー的な意味合いもあります。
 まぁ、それ以上に、悟史と詩音のモニャモニャを書きたかっただけですがw

 最初はH無しの予定だったんですが・・・。
 気付いたら書いていたw

 むぅ、不思議な事もあるものだwww(ぉ


テーマ:官能小説 - ジャンル:アダルト

コメント
この記事へのコメント
まさか、圭一さんと魅音さんが一線を越えた日に悟史さんと詩音さんがエライ事になっているとは。
それにしても葛西さんは白状ですね。
2007/08/26(日) 03:48:42 | URL | 影法師 #G9glzUGs[ 編集]
コメントありがとうございます。
>>影法師 さん
まあ、葛西さんは基本的に詩音の味方ですからね~。
詩音を任せるに値する男となるのを期待し、悟史の成長を待っているのでしょう。

・・・多分w
2007/08/26(日) 10:53:02 | URL | HEKS #195Lvy4Y[ 編集]
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