「まずは、圭ちゃんをその気にさせなきゃいけないんだけど・・・。圭ちゃんて、メイドとか好きっぽいのよねぇ、監督の影響かな。これなら、衣装は幾つかあるし・・・ん、は、裸エプロン!? うわ、ちょっと、こんな恥ずかしいカッコできる訳ないじゃん! それなら、まだこっちの体操服とブルマの方が・・・う~ん」
自室の床にぶちまける様にして広げた数冊の本を前にして、魅音はああでもない、こうでもない、と頭を悩ませていた。
自室の床にぶちまける様にして広げた数冊の本を前にして、魅音はああでもない、こうでもない、と頭を悩ませていた。
本には『彼氏をアノ気にさせる100の方法』、『彼を手玉に取る為の極秘テクニック』、『男心をくすぐる50の着こなしテクニック・下着編』、『既成事実を作る為の男の追い込み方』など、怪しげなタイトルが踊っている。
これらの本は、詩音が悟史を落とす際に参考にした本という事で、魅音に貸し出された物だ。
魅音は今、この本たちを参考に圭一を落とす為の作戦を練っている最中である。
「詩音は一通りやったらしいけど、圭ちゃんをソノ気に、かぁ・・・。こうして考えてみると、なんかこう、決め手ってのが無いなぁ・・・」
既に時計の針は深夜二時を回っている。
今までこのような事で頭を悩ませた事など無かった為、帰宅してからずっとこの状態で唸っている魅音であった。
「・・・ここは、下手な戦法使うよりは正攻法でいった方がいいかも知れないねぇ・・・。でも、問題は“何処で”なんだけど。興宮のホテル関係はぜんぶ園崎の親族が経営してるからなぁ、見つかったら即、婆っちゃに連絡が行くだろうし・・・ふぁ、眠・・・」
悩んだまま、魅音はいつしか眠りこけてしまう。
圭一をその気にさせる為の最大の問題点は、“場所”であった。
自分の家では祖母の園崎お魎がいる。
園崎天皇とまで呼ばれ恐れられる彼女の側では、流石に行為には及べない。
もしも見つかろうものなら、その日の内に園崎一族全てに招集がかかり、結納の段取りまで決まるのに半日とかかるまい。
下手をすると、既に魅音は妊娠して子供の名前も決まっている・・・等という“噂”がウイルスのように村中に広がり、圭一を逃げられなくしてしまう事も十分にありえる話だ。
理想的なのは圭一の家だが、やはり両親がいるのだからそう簡単にはいかない。
ラブホテルなどの恋人専用施設がない雛見沢では、中々に難しい問題なのであった。
翌日、寝ぼけた頭で圭一から聞かされた話は、魅音にとってオヤシロ様がお膳立てしてくれたのではないかと思えるほどの好都合な話だった。
「じゃあ、圭ちゃんは明日から一週間、一人で生活しなくちゃいけないって事?」
「ああ。何でも、親父の新作を巡って画商同士の争いが激化して、血で血を洗う抗争に発展しちまってるそうなんだ。それを静める為に親父本人が事態の収拾に乗り出す羽目になったとか・・・。それで、親父とお袋は東京に暫く出張する事になったんだ」
どうすれば“画商”同士で血で血を洗う抗争になるのか疑問だが、父親の描いている絵の事をよく知らない圭一は、自分には理解しにくい世界なのだろう、と自らを納得させていた。
「圭一さんのお父様って、売れっ子だったんですのねぇ・・・」
「み~。どんな絵を描いているのか、一度見てみたいのですよ」
「かぁいい絵だったら、お持ち帰りしたいな~」
「レナ、それは世間一般では普通に犯罪だからやめてくれ」
「あはは、冗談だよ~。それより魅ぃちゃん、絶好のチャンスだよ!」
「え、チャンス?」
「魅音さんともあろう者が鈍いですわねえ。“通い妻”をするチャンスって事ですわ!」
「通い・・・妻・・・」
思わず互いの顔を見た魅音と圭一。
一瞬で赤面しながら、魅音が圭一に言う。
「お、おじさんは問題ないよ、うん。その、通い妻、しても・・・」
「ホ、ホントか? ホントにいいのか?」
「う、うん、圭ちゃんさえ良ければ・・・」
「悪い訳ないじゃないか! ぜひともお願いするぜ!」
「う・・・うん! 分かったよ圭ちゃん!」
晴れやかな笑顔を見せながら、魅音の脳細胞は部活動中を上回る速さでその思考をフル活動させていた。
(正に、天の助け! この機を逃したら、次はいつになるのか分かったもんじゃないしねぇ。くっくっくっ! 覚悟しておきなよ圭ちゃん! この魅音さんの爆裂☆ボディで悩殺して、何が何でもソノ気にさせてみせるよ! いざとなったら、裸エプロンだってやっちゃうもんね!)
千載一遇のチャンス到来であった。
恥ずかしがっていた裸エプロンをも視野に入れた、魅音の一大プロジェクトの始まりである。
(続く)
あとがき
スイマセン、また続きました・・・しかも完全エロ無し・・・orz
先週遊びに来た親戚が、今度は子供だけ置いていきやがりました。
結局、私が一日中遊び相手になる訳で・・・勘弁してくれorz
取りあえず、短いですが出来ている部分だけでもアップする事にしました。
続きが書けるのは来週になりそうだな、こりゃ・・・。゜。゜(ノД`)゜。゜。
これらの本は、詩音が悟史を落とす際に参考にした本という事で、魅音に貸し出された物だ。
魅音は今、この本たちを参考に圭一を落とす為の作戦を練っている最中である。
「詩音は一通りやったらしいけど、圭ちゃんをソノ気に、かぁ・・・。こうして考えてみると、なんかこう、決め手ってのが無いなぁ・・・」
既に時計の針は深夜二時を回っている。
今までこのような事で頭を悩ませた事など無かった為、帰宅してからずっとこの状態で唸っている魅音であった。
「・・・ここは、下手な戦法使うよりは正攻法でいった方がいいかも知れないねぇ・・・。でも、問題は“何処で”なんだけど。興宮のホテル関係はぜんぶ園崎の親族が経営してるからなぁ、見つかったら即、婆っちゃに連絡が行くだろうし・・・ふぁ、眠・・・」
悩んだまま、魅音はいつしか眠りこけてしまう。
圭一をその気にさせる為の最大の問題点は、“場所”であった。
自分の家では祖母の園崎お魎がいる。
園崎天皇とまで呼ばれ恐れられる彼女の側では、流石に行為には及べない。
もしも見つかろうものなら、その日の内に園崎一族全てに招集がかかり、結納の段取りまで決まるのに半日とかかるまい。
下手をすると、既に魅音は妊娠して子供の名前も決まっている・・・等という“噂”がウイルスのように村中に広がり、圭一を逃げられなくしてしまう事も十分にありえる話だ。
理想的なのは圭一の家だが、やはり両親がいるのだからそう簡単にはいかない。
ラブホテルなどの恋人専用施設がない雛見沢では、中々に難しい問題なのであった。
翌日、寝ぼけた頭で圭一から聞かされた話は、魅音にとってオヤシロ様がお膳立てしてくれたのではないかと思えるほどの好都合な話だった。
「じゃあ、圭ちゃんは明日から一週間、一人で生活しなくちゃいけないって事?」
「ああ。何でも、親父の新作を巡って画商同士の争いが激化して、血で血を洗う抗争に発展しちまってるそうなんだ。それを静める為に親父本人が事態の収拾に乗り出す羽目になったとか・・・。それで、親父とお袋は東京に暫く出張する事になったんだ」
どうすれば“画商”同士で血で血を洗う抗争になるのか疑問だが、父親の描いている絵の事をよく知らない圭一は、自分には理解しにくい世界なのだろう、と自らを納得させていた。
「圭一さんのお父様って、売れっ子だったんですのねぇ・・・」
「み~。どんな絵を描いているのか、一度見てみたいのですよ」
「かぁいい絵だったら、お持ち帰りしたいな~」
「レナ、それは世間一般では普通に犯罪だからやめてくれ」
「あはは、冗談だよ~。それより魅ぃちゃん、絶好のチャンスだよ!」
「え、チャンス?」
「魅音さんともあろう者が鈍いですわねえ。“通い妻”をするチャンスって事ですわ!」
「通い・・・妻・・・」
思わず互いの顔を見た魅音と圭一。
一瞬で赤面しながら、魅音が圭一に言う。
「お、おじさんは問題ないよ、うん。その、通い妻、しても・・・」
「ホ、ホントか? ホントにいいのか?」
「う、うん、圭ちゃんさえ良ければ・・・」
「悪い訳ないじゃないか! ぜひともお願いするぜ!」
「う・・・うん! 分かったよ圭ちゃん!」
晴れやかな笑顔を見せながら、魅音の脳細胞は部活動中を上回る速さでその思考をフル活動させていた。
(正に、天の助け! この機を逃したら、次はいつになるのか分かったもんじゃないしねぇ。くっくっくっ! 覚悟しておきなよ圭ちゃん! この魅音さんの爆裂☆ボディで悩殺して、何が何でもソノ気にさせてみせるよ! いざとなったら、裸エプロンだってやっちゃうもんね!)
千載一遇のチャンス到来であった。
恥ずかしがっていた裸エプロンをも視野に入れた、魅音の一大プロジェクトの始まりである。
(続く)
あとがき
スイマセン、また続きました・・・しかも完全エロ無し・・・orz
先週遊びに来た親戚が、今度は子供だけ置いていきやがりました。
結局、私が一日中遊び相手になる訳で・・・勘弁してくれorz
取りあえず、短いですが出来ている部分だけでもアップする事にしました。
続きが書けるのは来週になりそうだな、こりゃ・・・。゜。゜(ノД`)゜。゜。