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ご都合主義な官能小説
「こんな都合のいい話あるわけねーじゃん!」 「いいんです!そーいう小説なんですから!(力説)」www 基本的にハッピーエンドの官能小説を書いてます。 座右の銘は『ご都合主義万歳!』www

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「え~~~っ!? それじゃあお姉、まだ圭ちゃんとエッチしてないんですかぁ!?」

 詩音の素っ頓狂な声が部屋の中に響いた。
 それに萎縮したかのように、魅音が小さくなって呟くように答える。

「う・・・。そ、そうだけど・・・」

 不安げな子犬のような眼で、魅音は詩音を見た。
 ここは興宮のとあるマンション。
 園崎魅音の双子の妹、園崎詩音が暮らしているマンションである。
 興宮へ買い物に来て、そのまま詩音の所に立ち寄った魅音。
 話は自然と、互いの恋人の事になったのだが・・・。

「まったく、お姉ってばこういう事に関しては本当に奥手ですねぇ」
「だ、だって、まだ付き合って一ヶ月だよ? 圭ちゃんだってせまったりして来ないし・・・」
「はぁ、そんな悠長なこと言ってたら、誰かに圭ちゃん取られちゃいますよ?」
「ま、まさか、そんな・・・あ、あはは・・・」

 引きつった笑いを浮かべる魅音。不安が増したようで少々顔色が悪い。

「私と悟史君なんて、そりゃあもー、毎日燃え上がっちゃってますよ~☆」
「ままま毎日ぃぃぃっ!?」
 悟史とは、北条悟史。
 北条沙都子の兄であり、詩音の恋人でもある。
 ある有名校に奨学金制度を利用して通っているが、雛見沢からでは距離が離れている為、詩音の住む部屋の隣で一人暮らしをしている。
 恋人である詩音が掃除・洗濯・炊事と家事全般の面倒を見ているのだ。
 しかし、若い二人がこんな状況で収まる訳がない。
 今では悟史と詩音は、殆ど同棲生活中となっていた。
 ちなみに、悟史は図書館に勉強に行っていて、今は不在である。

「悟史君てば、この間は特に凄かったんですよぉ。抜かないまま私の中に三回も・・・量も凄くって、お腹が破裂しちゃうかと思いました」
「ささ、さんかい・・・りょう、すご、おな、はれ・・・」

 魅音の知っている悟史は、普段ぽややんとしている大人しい少年だ。
 その記憶と、詩音との行為のギャップが激しすぎて呆然とする魅音。
 そして、詩音の話はまだ続く。

「それに、悟史君のアレって凄くおっきいんです。突かれるたびに頭の中まで衝撃が伝わってきて、全身打ちのめされるって感じですね。キスも上手で、舌を絡まれただけで身体から力が抜けそうになっちゃいます。胸や一番恥ずかしいアソコも、それはもう丁寧に指や口で可愛がってくれるし・・・あ、でも絶対無茶はしないんですよ、悟史君は・・・あれ、お姉?」

 ぷしゅううううぅぅぅぅ。
 そんな音が聞こえてきそうに紅潮した顔で、オーバーヒートした魅音は思考を停止していた。

「あらら・・・お姉には刺激が強すぎたようですね~。頭に濡れタオルでも乗せてみましょうか」

 姉の顔を見て、可笑しそうに笑う詩音だった。
 濡れタオルの効果で魅音の頭が冷却した頃合を見て、詩音は改めて魅音に聞いてみた。

「それで・・・お姉としては圭ちゃんが迫ってきたら、応じる気はあるんですか?」
「そ、それは勿論だけど・・・その、初めてだし・・・ちょっと怖い・・・」

 はぁぁぁぁ・・・。
 深々と溜め息をつく詩音。
 両手で魅音の肩を掴むと、顔を寄せて真剣な眼差しで言った。

「いいですかお姉、圭ちゃんだって男なんです。お姉がそうやってグズグズしている間に、取り返しのつかない事になっているかも知れませんよ?」
「な、なによ!? と、取り返しのつかない事って!?」
「例えば・・・」


『レナ、ちょっといいか?』
『圭一君? どうしたの?』
『魅音の事なんだけど・・・その、Hとかしたくないのかなって。二人きりになっても、まるでそんな雰囲気にならなくてさ』
『そ、そう、魅ぃちゃんが・・・。圭一君は、その・・・H、したいの・・・かな・・・かな?』
『お、俺も男だしな・・・』
『・・・じゃあ、レ、レナでよかったら、その、しても・・・いいよ・・・』
『レ、レナ・・・』
『わ、私も、圭一君の事、嫌いじゃないし・・・魅ぃちゃんには絶対内緒で・・・』
『レ・・・レナァァァァッ!!』
『ああん圭一君! そんないきなりぃぃ~っ!!』


「・・・とか」
「しーなーいーーーーー!! 圭ちゃんとレナは、絶対そんな事しなぁぁぁーーーい!!」
「でも、女の子らしさではレナさんの方が上なのは、お姉も認める所でしょう? 圭ちゃん、欲求不満になったらレナさんに走っちゃうかも・・・」
「あうぐぐぐぐ・・・でもしないもん!! 私は二人を信じてるもん!!」
「ん~、じゃあ、こーんな可能性も・・・」


『圭一さん、ちょっとよろしいですかしら』
『何だ沙都子、改まって・・・うぉ!? どうしたんだよ? いきなり抱きついたりして・・・』
『寂しいんですの・・・にーにーはずっと詩音さんの所に行ったきり。仕方ないと分かってはいるんですのよ? でも・・・』
『沙都子・・・。そうか、じゃあ、俺が悟史の代わりになってやるよ』
『代わりじゃ駄目ですの』
『え?』
『代わりじゃなくて・・・圭一さんは圭一さんとして、私を温めて欲しいんですの。私、圭一さんだったら何をされても・・・』
『さっ・・・沙都子ぉぉぉっ!!』
『ああん圭一さん! そんないきなりぃぃ~っ!!』


「・・・なーんて事に・・・」
「しーーなーーいーー!! 圭ちゃんと沙都子はそんな事しないーーーー!!」
「いやー、悟史君を私が独り占めしちゃってますからねぇ。圭ちゃん、父性本能刺激されてコロッといっちゃうかも・・・」
「う、うううううう・・・で、でもしないもん!! 私は二人を信じてるもん!!」
「うーん、では、意表をついてこんな可能性も・・・」


『あら? 前原君、まだ残っていたのですか?』
『千恵先生・・・折り入って相談があるんですけど』
『相談? いいですよ、勉強の事ですか? でも前原君の成績は先生も感心するくらい良いですが』
『いえ、そっちの勉強じゃなくて・・・その、男と女の行為について・・・。いざという時に、不安で・・・』
『そ、そういう事、ですか・・・。い、いいでしょう、私が一肌脱ぎましょう』
『せ、先生・・・!』
『ほら、こっちにいらっしゃい・・・先生が“女”を教えて、ア・ゲ・ル・・・!』
『せっ・・・先生ぇぇぇぇっ!!』
『あぁん前原君! そんないきなりは駄目ぇ~っ!!』


「・・・こんな可能性も」
「ししししないぃぃぃぃーーー!! けけけ圭ちゃんと先生はそそそそんな事しないしないしなぁーーーい!!」
「圭ちゃんて年上の女性に弱い感じがするんですよねぇ、やんちゃ坊主って言うか。大人の女性の色香にコロッと・・・あ、そう言えば私達の方が年上・・・! 圭ちゃんやっぱり・・・!」
「うぐっ!?」

 自分が圭一よりも年上だという事実を思い出し、取るに足らない筈の詩音の例え話が、魅音の中で現実味を帯びてくる。
 想像は妄想に変わり、妄想は膨れ上がり、いまや魅音の中の圭一は雛見沢中の美女・美少女とイケナイ関係を持ちまくっている少年ジゴロになっていた。

「・・・ロス」
「え? お姉、今なんて・・・」
「ブッ殺ス」
「え゛・・・」
「圭ちゃん殺してひき肉にしてから私も死んでやるぅ~~~っ!!!」
「ちょ、ちょっとお姉、落ち着いて!! 葛西!! 葛西ってば!! 早く来てぇ~~~!!!」

 隣室に居る魅音たちの父親の旧友、葛西が慌てて部屋に飛び込んできた。
 格闘すること約五分。
 葛西が当身で魅音を鎮め、ようやく落ち着けさせた。
 事の経緯を聞き、さすがの葛西も詩音にお小言を言わざるを得なかったのは当然であろう。
 それから暫くして、眼を覚ました魅音は決意した。

「あ、気がつきました? 御免なさい、お姉。ちょっとからかい過ぎちゃいましたね・・・」
「ううん、もういいの。・・・詩音、私、決めたよ」
「決めた?」
「うん。・・・私から圭ちゃんにせまってみる・・・“抱いて欲しい”って」
「お姉・・・! 決意しましたか・・・それでこそ園崎魅音です! 頑張れ、お姉!」
「うん! いざとなったら、地下祭具殿で身体の自由を奪って・・・くっくっくっ」
「・・・お姉?」
「冗談よ、じょーだん・・・くっくっくっ」
「(うーん、まだ私の例え話の影響が残ってますね)・・・大丈夫ですよ、お姉」
「うん?」
「前に、圭ちゃんはお姉に言っていたんでしょう? お姉は一番の親友だって」
「それは、気の置けない男友達なら、の場合で・・・」

 魅音を片手で制し、詩音は言葉を続ける。

「そこから進展して、今は恋人同士。つまり、お姉は女の子としても圭ちゃんの一番になったんです。男だったとしても一番、女の子としても一番。最強じゃないですか」
「あっ・・・!」
「頑張れ、園崎魅音! あなたこそが圭ちゃんにとって一番の存在なんです! 圭ちゃんの心も身体も完全にお姉の虜にしちゃうんです!」
「し、詩音・・・! 分かったよ! やるよ・・・やってみせるよ、あたしゃ!」

 炎の如き熱いテンションを維持したまま、魅音は雛見沢へと帰っていった。
 果たして、魅音は圭一と結ばれる事が出来るのか。

 そのきっかけとなる機会は、思ったよりも早く訪れる事になるのだった。


 (続く)


あとがき

 ・・・一話完結のつもりが、分割になってしまった・・・w
 今回はあんまりH要素ありません(というかほぼゼロ)、期待していた方には申し訳ない。
 さて、この世界では悟史と詩音もラブラブになっております。
 顔に似合わず、悟史君はあっち方面はかなり凄い設定になっています。
 巨根&絶倫&テクニシャンwww

 文中で魅音が「それは、気の置けない男友達なら、の場合で・・・」と言っているのは、以前発売されたドラマCDの『ひぐらしのなく頃に アペンドディスク01』に収録されているミニドラマ、『当主のホワイトデー』のシーンから来ています。
 このドラマCD、今はもう廃盤かな?
 このミニドラマの魅音は可愛いのですよ、自爆気味でwww
 何とか『当主のホワイトデー』の話を絡める事が出来ないかな~と思っていましたので、今回の話は自分的に結構満足しています。

 あと、副題を付けてみました。
 1、2じゃ寂しいし今一分かりにくいかと思いましたので。

 お次は魅音と圭一の初Hの話ですが・・・気長にお待ちください・・・。

テーマ:官能小説 - ジャンル:アダルト

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